市川寿猿は歌舞伎界最高齢 三人の猿之助に関わる澤瀉屋の生き字引

歌舞伎俳優の市川寿猿さんは、歌舞伎界では最高齢。

澤瀉屋の最古参にして生き字引、3人の猿之助に仕え現在も舞台を勤める現役の歌舞伎役者です。

当代の猿之助や市川中車、市川團子が生まれる前から澤瀉屋で活躍する市川寿猿さんいついて、年齢の事や家系の事、92歳で勤めた宙乗りについてまとめてみました。

市川寿猿(いちかわじゅえん)プロフィールと略歴

プロフィール

市川寿猿さんお名前はいちかわじゅえんと読みます。

市川寿猿さんに関するwiki的なプロフィールは以下の通りです。

【名前】 二代目 市川寿猿(二代目 いちかわじゅえん)
【屋号】 澤瀉屋
【生年月日】 1930年5月20日
【出身地】 東京都 浅草

1930年のお生まれで、そのころの日本はというと昭和5年

1927年に日本初の地下鉄が上野‐浅草間で開通し、家庭には電気やガス、水道が引かれるようになり少しずつ便利になってきた時代です。

第二次世界大戦が1939年~1945年ですから、昭和、平成、令和の時代を役者として生きて来られているわけですから、本名や身長、体重なんてもうどうでもいいようなことですね。

舞台の上のお姿を拝見できるだけで、ありがたい存在です。

今年は御年94歳になられるんですね。

略歴

1934年小石川小劇場『義経千本桜』渡海屋・大物浦の安徳帝ほかで坂東小鶴を名のり4歳で初舞台。

1947年八代目市川八百蔵(八代目中車)に入門し、市川七百三郎(いちかわなおさぶろう)に改名。

1949年三代目市川段四郎に入門、市川段三郎と改名。

1955年1月二代目市川猿之助(初代猿翁)に入門し市川喜太郎に改名。

1957年4月歌舞伎座『血笑記』伊与田大三郎役で四代目市川喜猿を襲名し名題昇進。

1975年7月歌舞伎座『橋弁慶』の従者ほ他二代目市川寿猿を襲名。

2000年7月歌舞伎座『義経千本桜』四の切の川連法眼他で幹部昇進。

初舞台から66年の時を経ての幹部昇進ということですから、本当に長く勤めてらっしゃるという事ですね。

で、今年は芸歴90年って、歌舞伎という伝統芸能ならではのキャリアですね。

市川寿猿と猿之助はどんな関係?

市川猿之助家のトップは代々の猿之助です。

市川寿猿さんは二代目市川猿之助さんの代の八代目市川中車さんに弟子入りされています。

その代から考えると当主の市川猿之助は三代にわたり続き、さらに長くお名前が途絶えていた市川中車さんにも仕えるという澤瀉屋にとっては生き字引のような存在なのです。

また、紆余曲折を経て当代の九代目市川中車さん、その子息の市川團子さんにまで使えるというのは本当に稀有なことであり、一族にとってもありがたいことかと思います。

・四代目市川猿之助(当代)

・三代目市川猿之助(二代目市川猿翁)

・二代目市川猿之助(初代市川猿翁)

市川寿猿は92歳で宙乗りをしたって本当?

歌舞伎役者最高齢の市川寿猿さん、澤瀉屋でも最古参の最高齢です。

市川寿猿さんは、歌舞伎の家と血のつながりがあるわけではないので、いろいろな役やお仕事をされてきました。

そのひとつが、二代目猿翁さんを舞台上で補助する「後見」という役割を長く務められていて、猿翁さんが宙乗りをされるときには、器具を装着する係をされていました。

そんな寿猿さんご本人が宙乗りをするという大役が巡ってきました。

仕掛け人は四代目市川猿之助さんです。

感染症との戦いが続く2022年8月の納涼歌舞伎「東海道中膝栗毛」という演目は、四代目猿之助さんが脚本と演出を手がけました。

その中で、当時92歳の寿猿さんがゴンドラに乗って宙乗りをする姿を通して観客に力のメッセージを投げかけたのでした。

四代目猿之助さんは粋な計らいについてこんな風に述べています。

(猿之助さん)
「寿猿さんはこれまで誰かの宙乗りの機具を準備する方だったので、それを知っているお客さんは寿猿さんが舞い上がると驚きますよね。何より本人がうれしそうなので、それが一番よかったと思います。
健康でないと役者という商売はできませんが、寿猿さんは健康で現役で舞台に立ち、何でも挑戦する意欲を今も持ち続けているので、お願いしました。92歳でも現役で舞台ができるという姿を見て、少しでも観客の力になれば、これほどうれしいことはないと思います」

出典:https://www3.nhk.or.jp/news/special/sci_cul/2022/09/story/story20220901/

市川寿猿はどこで観られるの?

市川寿猿さんの今後の出演予定は以下の通りです。

帝に対する謀反をもくろむ大碓命に対し、考え直すよう説得するうちに誤って兄を手にかけてしまったことを帝に報告したヤマトタケル、帝はその場で手討ちにしようとしますが、身を挺して考え直すように説得する老大臣を寿猿さんが勤められます。

寿猿さんの身のこなしと、明瞭なセリフに驚きますよ(*^^)v

会場 公演期間 時間 演目
五月 名古屋
御園座
2024年
5月6日(月・休)~19日(日)
11:00~
16:30~
スーパー歌舞伎
『ヤマトタケル』
老大臣
六月 大阪松竹座 2024年
6月8日(土)~23日(日)
11:00~
16:30~
スーパー歌舞伎
『ヤマトタケル』
老大臣

市川寿猿まとめ

歌舞伎俳優の市川寿猿さんは、歌舞伎界では最高齢。

2023年は1、4、5、6、7、8、9、10、12月の9か月間舞台に出演し、そのうち8か月は休演日があるものの月間約25日間公演があるの本興行。

そのお姿を拝見できるだけでありがたい、瀉屋の最古参にして生き字引、3人の猿之助に仕え現在も舞台を勤める現役の歌舞伎役者市川寿猿さんについてまとめてみました。

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